マレット指の治療
突き指や、指を弾いたとき、あるいはどこかに引っかかって急激に曲げられたときなどに起こります。見た目の特徴は、指の「第一関節」と呼ばれる爪に最も近い関節が、お辞儀をしたように伸びなくなってしまいます。これは指の最先端の骨の背中側に付着して、指を伸ばすときに働く腱の連続性が断たれた状態ときに起こり、以下の二つの場合があります。
腱性マレット指
腱自体が切れることを指します。骨には異常がありませんのでレントゲンで損傷部分を確認する事は出来ません。この腱は終末腱と呼ばれとても薄く修復も容易ではありません。
一般に腱性マレット指の場合、指を伸ばした状態で当て木を当てて治療します。この当て木は、2ヶ月近く当てっぱなしにし、その後は夜間だけ装着していただく事が一般的ですが、状態が芳しくない場合はさらに装着期間が延長いたします。
このような、当て木による治療法の欠点としては、指をしっかり伸ばして当て木を装着しようとすると、指の皮膚に負担がかかりすぎ、褥瘡を生じてしまう可能性が高まる事が挙げられます。そのため、十分な矯正位を取る事が出来ず、最終的に指が伸びきらないで治ってしまう事が挙げられます。これを防ぐためには、手術によって関節の仮固定用ピンを挿入する方法があります。
何れにしましても、完全伸展が可能な程度まで治る事は容易ではありません。
骨性マレット指
腱が付着している部分の骨が折れる事によって、腱の力が末節骨に伝わらなくなったために、指が伸びなくなった状態を示します。骨折が起こっていますので、レントゲンで確認できます。手術によって骨折部分を固定する必要があり、様々な方法が紹介されています。