手荒れの治療

主婦手湿疹

手荒れは一般にHousewives’ hand eczema(主婦手湿疹)と呼ばれ、文字通り炊事・洗濯等の水仕事をする主婦の方に多く見られます。人間の皮膚の再表面部は角層と呼ばれ、表皮細胞の新陳代謝の結果作られた薄く小さな膜状物がちょうど落ち葉の溜まった地面のように密に敷き詰められています。その落ち葉に相当する部分の間には各種の脂質があり保湿作用を担っております。これらの角層が例えば界面活性剤などで障害を受けると皮膚のバリアー機能が低下します。バリアー機能が低下する事により表皮細胞は外来のあらゆる物質にさらされる事になり、人間の表皮において、人間の防御反応すなわち免疫反応によって炎症が起こります。この炎症が主婦湿疹と呼ばれる症状を起こします。

進行性指掌角皮症

こちらも手湿疹の一種で、最も良く使う指の先端の皮が厚く硬くなり皮がむけ、時に亀裂が入ります。その原因もまた手湿疹と同様、洗剤、界面活性剤、化学物質や、ほこりなどだと言われています。
いずれの場合も、原因除去のために手袋をして作業を行う他、徹底的な保湿によるバリヤー機能の維持と、ステロイド外用薬を的確に用いて炎症を抑える必要があります。
これら手湿疹の原因としては、金属アレルギーなどが関係する事もあると言われています。さらに手の湿疹の中には次の異汗性湿疹と呼ばれる物もあります。

異汗性湿疹

汗疱と呼ばれる症状がありますが、これは手の平などに小さな水疱が出来、自然に破れて小さく丸い皮がの向けた跡が残ります。これ自体は症状はなくときに水虫にも間違えられますが、放っておいても特に問題にはなりません。一方、異汗性湿疹と呼ばれる状態はこの汗疱に似た水疱が多数発生し強い痒みを伴います。治療はステロイド軟膏を用いますが、再発生、難治性です。光線治療が有効です。