手術手技:剥がす

「剥離」とも言い、手術において無くてはならない操作の一つです。人体の組織は全て結合組織によって形を保っていますので、たとえば血管を縫ったり、骨折を整復したりするためには必ず目的の組織を露出する操作、すなわち剥離が必要になります。そればかりでなく、皮下に出来た腫瘍を摘出する場合などでも、周りの健常組織から腫瘍組織を剥がさないと取り出すことが出来ません。

この操作は多くの場合ハサミを使って行われ

ます。ただ、普通のハサミの使い方と異なっているのは、切る動作だけではなく、ハサミを開く操作も利用することです。その場合、剥離したいところにハサミを閉じたまま差し込み、その場で開くことによって組織を鈍的に分けることが出来ます。この操作は剥がす作業で多用されています。