皮膚のできもの、「シミかな?」

いわゆるシミと呼ばれるものには、大きく分けて2種類あります。その第一が色素の沈着によるシミで、もう一つはできもの(腫瘍)が薄く広がっているためシミのように見える腫瘍性のシミです。

まず色素沈着によるシミですが、加齢や日光などが原因の普通のシミの場合、各種のレーザー治療法がありますが、当院では外用治療のみ行っています。
また、肝班と呼ばれるシミでは、通常のシミ取り用のレーザーは無効なことが多いようです。この場合、さらに特殊なレーザーを使うか内服治療によります。

一方、腫瘍によるシミに似たものには良性のものと悪性のものがあります。良性のものには先述しました脂漏性角化症があります。
悪性のものとしては、悪性黒色腫の他に以下の二つを考えておけば良いと思います。

ボーエン病

高齢の方に見られる事が多く、赤みを帯びた皮膚の上に茶色っぽい部分があり、カサブタのようにもシミのようにも見えます。体のあちこちにできる事はあまりなく、大体一カ所に生じます。見た目から湿疹やシミに間違われる事が多く、長い間ステロイドを塗り続けているのに治らないと言って来院される事もあります。

その実態は表皮と呼ばれる皮膚の一番表層部分に限局した癌で、摘出標本を病理学的に診断します。治療法は残さず切除して皮膚移植などの方法で欠損部を再建します。

日光角化症

ご高齢の方の顔面や手背の日光に当たる部分に好発する、赤みを帯びたシミのようなできものです。その表面には角質の増加が見られ、カサブタが付着していたり、場合によっては角のような固い角質が付着していたりすることもあります。表皮と呼ばれる皮膚の表面に限局した癌の一種ですが本格的皮膚がんに進展するまでの時間は長いと考えられています。この腫瘍も確定診断をするためには切除して病理検査を行うべきです。また治療法も同じく切除することが確実です。